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2019年10月24日木曜日

第13回研究会のお知らせ

第13回研究会

蔵持 不三也 (早稲田大学名誉教授)
「文化の歪像(承前)――愚者の祭りと民衆文化――」

日時:2019年12月14日(土)14:00~
会場 :東方学会ビル2F会議室(千代田区西神田2-4-1)
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会費:500円

「文化の歪像(承前)――愚者の祭りと民衆文化――」

人類の母にしてその創り手である自然が、
どこであれ痴愚の味付けがまったくせぬことがないようにと、
懸命にも前々からどれほど気を配ってくださったは、ご覧のとおりです。
(エラスムス『痴愚神礼讃』、沓掛良彦訳、中公文庫)

 本研究はおそらく12世紀頃から16世紀にかけてのフランスにおける文化の攪拌装置としての「愚者の祭り(Fête des fous)」を対象とする。すぐれて民衆的なこの祝祭は、毎年12月26日から28日に各地で営まれたこの法外な祝祭は、社会の秩序や権威、価値観、倫理、理性などからなるイマジネールを、反極要素、すなわち暴力や哄笑、仮装、揶揄、スカトロジー、悪戯、そして愚者の教皇や司教、大修道院長などが司式するパロディックかつ戯画的な祭儀などによって脱聖化して社会を攪拌し、その内なる痴愚性をドラスティックに演出・顕在化させることを最大の目的としていた。
 むろんそれは治安・教会権力からはつねに断罪されたが、カルナヴァルや愚行結社、ときにはシャリヴァリとも結びつきながら、古代からの祝祭原理や道化(fou)のイメージを増幅させ、風刺的なソ(sot)劇や笑劇に格好の場を提供した。さらにブリューゲルやボスなどの画才を刺激し、負性の精神によって構造化されたイマジネールを告発した、エラスムスの『痴愚神礼讃』(1511年)やゼバスチャン・ブラントの『愚者の船』(1494年)、さらにはラブレーの通称『パンタグリュエル』『ガルガンチュア物語』(1534-64年)など、一連の「ユマニスム文学」にも影響を与えた。本発表はそれを概観するための序章である

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※参加人数把握のため、michinokai.2017@gmail.com(@を半角にして)に以下の内容をご返信ください。
1.研究会:参加の有・無
2.懇親会(同会場を予定):参加の有・無